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絶対避けるべきなのがトランス脂肪酸。どんな健康上の害があるのかまとめた

絶対避けるべきなのがトランス脂肪酸。どんな健康上の害があるのかまとめた

いくつか食べないようにしている栄養があるが、その中の筆頭栄養素。

それがトランス脂肪酸である。

  • トランス脂肪酸とは何なのか?
  • あなたの体に与える害
  • どのような食品に多く含まれているのか?

といったことをお伝えしていく。

結論
  • トランス脂肪酸には天然型と人工型の2種類ある
  • 体に悪いとされるのは人工型のトランス脂肪酸

人工型のトランス脂肪酸の摂取によって、

  • 心疾患のリスクが上がる。
  • 悪いコレステロール値だけ上昇させる。
  • 炎症を促進する可能性が高い
    (炎症は多くの慢性疾患の主な原因であると考えられている)

世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるという目標を示している

トランス脂肪酸とは?

トランス脂肪酸シス型脂肪酸違い

不飽和脂肪酸のほとんどはシス型(Sis)と言って、水素が同じ側にある構造をしている。

一方、トランス(trans)型は水素原子が1つ反対側にくっついている。

構造的な違いはたったこれだけ。

天然の不飽和脂肪酸はほぼ、シス型である。

トランス脂肪酸には天然で生まれるものと、人工的にうまれるものの2つがある。

体に悪いのは実は人工型のトランス脂肪酸なんだ。

天然型のトランス脂肪酸

天然のトランス脂肪酸牛や羊の肉や乳製品に多く含まれる

反芻動物牛羊やぎ胃4つフリー

 

これらの動物は
反芻

はんすう

動物と言って、一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻す、再咀嚼(さいそしゃく)する。

※反芻動物の最大の特徹は、四つの胃(第一胃、第二胃、第三胃、第四胃)を持つこと

牛や羊などが草を食べた後、消化される。
その消化の際、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られる。

トランス脂肪酸の量について

脂質に含まれる脂肪酸のうちトランス脂肪酸が占める割合は

  • 牛乳、バター、チーズでは、トランス脂肪酸の割合は脂肪酸の3.2〜6.2%の範囲(※1) (※2)
  • 牛肉には2.8〜9.5%(※1)
  • ラム肉は4.3〜9.2%(※1)
  • 豚肉(0.2〜2.2%)と鶏肉(0.2〜1.7%)(※1)

やはり牛と羊肉内のトランス脂肪酸量は多い。

これだけ見ると不安に思うかもしれないが、安心してほしい。

天然型のトランス脂肪酸はある程度摂取しても、有害ではないと結論づけられているのだ。(※3)

天然型のトランス脂肪酸が危険ではないとする論文の内容を一部抜粋、翻訳すると

  • いくつかの疫学的研究は、冠動脈心疾患リスクとの正の関連は、iTFA異性体のみであり、rTFA異性体ではないことを示唆している。(※3)
    (植物性油脂の産業用部分水素化中に形成されるトランス脂肪酸(iTFA)と反芻動物の生物水素化により形成されるトランス脂肪酸(rTFA))
  • 研究結果から見るに、人口的なトランス脂肪酸の消費が、複数の心血管リスク因子に悪影響を及ぼし、冠動脈性心疾患のリスク増加に大きく寄与する。反芻動物のトランス脂肪酸(天然のトランス脂肪酸)消費の健康への影響は、はるかに限られているようだ。(※4)
  • 反芻動物のトランス脂肪酸摂取量(0.5から1.9μg/日の範囲)は冠動脈性心疾患のリスクと有意に関連していなかった。(※5)
  • 産業用トランス脂肪酸(=人口トランス脂肪酸)は冠動脈性心疾患と正の関連があるかもしれないが、反芻動物のトランス脂肪酸はそうではないことを示唆している(※5)

ここまでの論文の情報をまとめると、

  • 牛や羊などの肉や乳製品から摂取するトランス脂肪酸(=天然型は、基本的害はなさそう
  • 体に悪いとされているのは人工型のトランス脂肪酸なのだ。

天然型のトランス脂肪酸の代表例はCLA(共益リノール酸)

ダイエットやボディメイクに有効な栄養として、サプリメントとしても売られている。

俺も糖質制限中(ケトジェニックダイエット中)の現在、CLAは摂取している。

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それじゃあ人工型のトランス脂肪酸についてみていこう。




人工型のトランス脂肪酸。こいつが体に悪い

人工型トランス脂肪酸というのは、油脂の精製や加工によってできる

自然界では発生しない形でのトランス脂肪酸なので、人工型と呼ぶ。

人工型のトランス脂肪酸はどのように生まれるのか?

常温で液体の植物油や魚の油がある。

これらの油を固形・半固形状態にしたい時に“水素添加”と呼ばれる技術を扱う。

水素を強制的に加えることで不飽和脂肪酸→飽和脂肪酸に変更し、油を固めることができるのだ。

この過程で、人工型のトランス脂肪酸が生まれる。

また、油を高温に熱した時にシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸になることもある。

この人工型のトランス脂肪酸が与える悪影響とは?

さて、体に悪いとされる人工型のトランス脂肪酸であるが、いったいどのような悪影響があるのか?

流し読みしたい人はメモがある最後の所まで飛ばしておくれ。
(少々難しい話が続く。)

先ほどの論文でも少し触れられていたが、人口型のトランス脂肪酸の摂取心疾患のリスクを増大させる。

論文の結論を一部紹介しよう。

  • 研究データから、共益量の調整後もトランス脂肪の高い消費が、冠動脈性心疾患の重大な危険因子であるというさらなる証拠を示した。(※6)
  • トランス脂肪酸の摂取と冠動脈死のリスクとの間に有意な正の関連性が見られた。(※7)
  • トランス脂肪酸摂取は、冠状動脈性心臓病の10年リスクと正の関連があった。(※8)
  • 多価不飽和脂肪とトランス脂肪の摂取と冠動脈性心疾患のリスクとの関連は、65歳未満の女性で最も顕著だった。(※9)

また、人口型のトランス脂肪酸の摂取によって、

  • 善玉コレステロール(HDL)の上昇はなし
  • 悪玉コレステロール(LDL)は上昇した

普通、脂質を摂取すると、善玉コレステロールも悪玉コレステロールも両方上昇する。(※4)

過剰な炎症は、心臓病、メタボリックシンドローム、糖尿病、関節炎など、多くの慢性疾患の主な原因であると考えられている。

人工型のトランス脂肪酸は、体脂肪率が過剰気味の人において、炎症の増加と関連がある

  • トランス脂肪酸の摂取は、女性の全身性炎症のマーカーと正に関連しています。
    炎症に対するトランス脂肪酸の影響、および冠動脈疾患、糖尿病、およびその他の状態への影響をさらに調査する必要がある。(※10)
  • この研究は、トランス脂肪酸のより高い摂取が内皮機能に悪影響を与える可能性があることを示唆している。
    これは、脂質への悪影響のみに基づいて予測されるよりもトランス脂肪と心血管リスクの正の関係が大きい理由を部分的に説明するかもしれない。(※11)

人工型のトランス脂肪酸の摂取によって、

  • 心疾患のリスクが上がる。
  • 悪いコレステロール値だけ上昇させる。
  • 炎症を促進する可能性が高い
    (炎症は多くの慢性疾患の主な原因であると考えられている)

トランス脂肪酸の摂取量の目安は?

人間栄養における脂肪及び脂肪酸に関するFAO/WHO合同専門家会合」の暫定報告書(2010)によると、

トランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギーの1%以下にすることが望ましいとしている。

2000kcalを1日で摂取するとしたら、20kcal≒2.2g以下となる。

一方日本での発表は以下だ。

日本でも同様に2015年、「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書(※12)にて摂取量を定めた。

  • 脂質は総摂取カロリーの20~30%を摂取するのが適切
  • 飽和脂肪酸の目標量を7%以下
  • トランス脂肪酸の目標量は設定されてない

ちなみに日本人のトランス脂肪酸摂取状況は以下の通り

平成 15 年から平成 19 年の 5 年間の国民健康・栄養調査の結果を用いて算出すると、工業由来のトランス脂肪酸摂取量の中央値は、

  • 男性で 0.292 g/日(0.13% E)、
  • 女性で 0.299 g/日(0.16% E)、

年齢別では若年層に多く、

  • 男性 15~19 歳で 0.439 g/日(0.17% E)、
  • 女性 7~14 歳で 0.409 g/日(0.20% E)

であった。(※13)

日本人がとっているトランス脂肪酸の平均的な量は、総摂取エネルギーの0.44~0.47%に相当する量だったという農林水産省のデータもある。(※14)

特別ショートニングやマーガリン、洋菓子を大量に食べるような生活をしない限り、日本人は平均的に基準値を下回るトランス脂肪酸の摂取量であるといえる。




絶対避けるべきなのがトランス脂肪酸。どんな健康上の害があるのかまとめた~まとめ~

人工型のトランス脂肪酸を健康に最悪の脂肪酸とするなら、逆に最も健康にいい脂肪酸はオメガ3脂肪酸だ。

関連記事:オメガ3脂肪酸は絶対にとるべき最強の脂質(執筆中)

結論
  • トランス脂肪酸には天然型と人工型の2種類ある
  • 体に悪いとされるのは人工型のトランス脂肪酸

人工型のトランス脂肪酸の摂取によって、

  • 心疾患のリスクが上がる。
  • 悪いコレステロール値だけ上昇させる。
  • 炎症を促進する可能性が高い
    (炎症は多くの慢性疾患の主な原因であると考えられている)

とりあえず、可能な限り人工型のトランス脂肪酸の摂取を減らそうぜ!!
そんなお話よね。

世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるという目標を示している。

(人工型の)トランス脂肪酸が体に悪いことはよく分かった。

トランス脂肪酸はいったいどんな食品に多く含まれていて、避けるべき食品は何なのか?

【害しかない】トランス脂肪酸が多く含まれる食品6選【絶対食べるな】
【害しかない】トランス脂肪酸が多く含まれる食品6選【絶対食べるな】トランス脂肪酸はコレステロールを増やしたり、心疾患の大きな悪影響になったりすることが分かっている。 可能な限り摂取したくないトラン...

参考文献

※1 TransFatty Acids in Dairy and Meat Products from 14 European Countries: The TRANSFAIR Study

※2 Survey of the fatty acid composition of retail milk in the United States including regional and seasonal variations

※3 Effects of ruminant trans fatty acids on cardiovascular disease and cancer: a comprehensive review of epidemiological, clinical, and mechanistic studies.

※4 Health effects of trans-fatty acids: experimental and observational evidence.

※5 Consumption of industrial and ruminant trans fatty acids and risk of coronary heart disease: a systematic review and meta-analysis of cohort studies.

※6 A prospective study of trans fatty acids in erythrocytes and risk of coronary heart disease.

※7 Intake of fatty acids and risk of coronary heart disease in a cohort of Finnish men. The Alpha-Tocopherol, Beta-Carotene Cancer Prevention Study.

※8 Association between trans fatty acid intake and 10-year risk of coronary heart disease in the Zutphen Elderly Study: a prospective population-based study.

※9 Dietary fat intake and risk of coronary heart disease in women: 20 years of follow-up of the nurses’ health study.

※10 Dietary intake of trans fatty acids and systemic inflammation in women.

※11 Consumption of trans fatty acids is related to plasma biomarkers of inflammation and endothelial dysfunction.

※12 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

※13 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 脂質

※14 農林水産省 トランス脂肪酸に関する国際機関の取組

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