筋トレの基本・基礎知識

筋トレのスピード・速さはどうすれば筋肥大に最適かを科学する

筋トレのスピード・速さはどうすれば筋肥大に最適かを科学する
筋トレの時に重りを持ち上げたり、引っ張ったりする時のスピード・速さはどうすべきなの?

ゆっくりやったほうがいいの?
それともスピーディーにやったほうがいいの?
普通の速さでいいの?

一番いい方法を教えて!

今回はこんな疑問にお答えしていこう。

筋トレをするとき、あまり普段は着眼されないが、重りをあげる速さ、力を入れている時間というのは確かに筋トレをする際の1つのポイントになる。

スピードによってどういう違いがあるのか、科学的に紹介していこう。

重りをあげるスピードよりも大切な筋トレ基本の話は↓

それでは先に結論を述べよう。


結論
  • 筋トレの速さはそこまでこだわる必要はない、明確な結論が出ていない
  • 素早くあげる(引く)ことによって、軽い重量でも負荷をあげることができる
  • 1回当たり、8秒以内なら筋肥大効果は変わらないとする論文がある
  • ただ、0.5秒~4秒以内に抑えた方がよさそうだ
  • 特に素早くも、極端に遅く動かす必要もない
  • スロートレーニング(1回当たり、10秒以上かかるような動き)はむしろ筋肥大効果は低い

You tube版 筋トレ時の重りを持ち上げる時のスピードはどうすべきか?

YouTube版はこちら。

167もの論文を精査した論文内での、筋トレのものを持ち上げる速さに関しての意見

けっこう専門的で面白くない話もすると思うので、結論だけ知りたい人はポイント!という赤枠の部分までとんでくれ!

EVIDENCE-BASED RESISTANCE TRAINING RECOMMENDATIONS

この論文は、167もの論文から成り立つメタアナリシスだ。

この中で、筋トレの速さについて言われていることは、ざっくりとまとめた。
以下である。

まず、筋トレの際、スピーディーに筋トレをすることを好意的にとらえた研究

  • ACSM(アメリカスポーツ医学会)[ 1 ] は、短い反復時間がより好ましいことを示唆している。(1回当たり1~2秒)
  • 速い速度は、筋力の強化に効果的であることが示されている。[ 2 ] [ 3 ]
  • 実際には、より速く運動すると、より多く反復できるようになる。このことはベンチプレス運動でSakamotoとSinclair [ 4 ]によってさらに支持された。
  • しかし、ACSMの立場を理解している今回の論文では、一回限りのパフォーマンスを最適化するのではなく、生理的な機能強化を刺激するトレーニング方法に焦点を当てている。
  • ACSM (アメリカスポーツ医学会)は、筋トレ初心者はゆっくりとした中程度の早さでのトレーニングを、筋トレ経験者は筋力増強のためのゆっくりしたトレーニングから速い動作までのトレーニングをすすめている
  • 重量挙げやその他の弾道的(で速い動き)なトレーニングは、特に垂直ジャンプやスプリントタイムの向上に有益であることを示している。

速い速度は、筋肉パフォーマンス能力の強化に効果的であることが示されている。

筋トレの重さや回数は一定ではなく、変化させた方がいいという事実を以前紹介した。

https://oremote.net/best-times-workout

これと同様に、ゆっくりしたり、速くしたり、変化をつけたほうがいい、というのが結論のようだ。(ただし、筋トレ経験者)

これは、筋肉への刺激を変えることによって、より早い成長を促すものと考えることができる。

[ 1 ] [Ratamess NA, Alvar BA, Evetoch TK, et al. Progression models in resistance training for healthy adults. Med Sci Sports Exerc 2009; 41: 687-708]

[ 2 ] performance during push-up and pull-up exercises.J Strength Cond Res 1994; 8: 76-9

[ 3 ] differential effects of slow and fast barbell squat training. AmJ 1998; 26: 221-30

[ 4 ] relationship between training load and the number of repe-titions of bench press. Strength Cond Res2006; 20: 523-7

一方で、速くても効果は変わらないとする研究

同じ論文内では、速く動かしても効果は変わらないとする論文がいくつか紹介されている。

  • ジョンスタンス[5]は筋肉が力を発揮している時間が同じであれば、発生または経験した力にほとんど差がないと報告した
  • この研究分野の総合的なレビューにおいて、より短い反復期間での(=速い)筋トレは、より長い反復期間での(=ゆっくり)トレーニングよりも大きな強度またはパワー増加をもたらさないことを報告している
  • [6]の研究では、重量挙げと※プライオメトリックエクササイズを適用して、これらのテクニックで従来の体重よりも強度やスポーツパフォーマンス(垂直跳びやスプリントを含む)を向上させることができるという証拠はないと結論づけられている
  • 弾道運動によるけがの危険性を具体的に検討し、重量挙げの実施に伴うような爆発的なリフティングがもたらす怪我の可能性を伝えた

プライオメトリクスとは、簡単に言うと、素早いエクセントリックな筋活動の直後にコンセントリックな筋活動が行われると(ストレッチ・ショートニング・サイクルと呼ばれる)、コンセントリック筋活動だけの時よりも短時間でより大きな筋力が発生しやすいという性質を利用して、連続ジャンプや高いところから飛び降りてすぐにジャンプするといったエクササイズの方法を用いることにより、そうした筋力発生の能力を高めようとするもの。

[5] Johnston BD. Moving too rapidly in  strength training will  unload muscles and limit full range strength development adaptation: a case study. J Exerc Physiol 2005; 8: 36-45

[6]Bruce-LowS, Smith D.Explosive exercise in sports training: Exerc Physiol2007; 10: 21-33.

結果、この論文内ではどのような結論になっているのか?

この項目の要約では以下の2つが述べられている。

  • エクササイズは、運動の全範囲に渡って筋肉の緊張を維持する繰り返し演習で実行されるべき。
  • 重量挙げのようなスピードが早く、弾道性のあるトレーニングは、筋肉からの緊張をなくし、関節や関連組織に大きな力が加わり、怪我のリスクが上がる

この論文の中で言いたかったことは

  • 急激な力を入れて筋トレをすることは、短期的には筋力アップにつながるかもしれないが、関節などに大きな力が加わり、けがのリスクが上がる。
    (特に重量挙げのような運動)
  • 別に筋肥大に効果的というわけではなさそうであり、長期的な視点でとらえれば、筋肉の緊張を維持し続けるような筋トレ法が望ましい。=普通の筋トレ

この論文内では、結局、速くするのがいいのか、遅くするのがいいのか、いまいち我々が知りたい情報についてうまくまとめられてはいない。

筋トレのスピードは、0.5秒~8秒以内なら筋肥大効果は変わらないとする論文

Effect of repetition duration during resistance training on muscle hypertrophy: a systematic review and meta-analysis

このSchoenfeldさんは本当に筋肥大に関しての論文でよく目にする。

お世話になっております(笑)

この論文では筋トレの反復する期間=1回の運動にかかる時間について、8つの研究から調査された。

この論文での結論は、

  • 0.5〜8秒の範囲でトレーニングした場合、ほぼ同様に筋肥大する
  • 10秒以上の長い時間でのトレーニングは筋肥大しにくくなる

つまり、

  • 筋トレのスピ―ドは普通でいいよ
  • スロートレーニングは筋肥大効果が低い

ということが見える。

実際に7~8秒でもかなりスロトレーニングの気がするけどね。

8秒の中であっても、0.5~4秒の方が筋肥大効果が高そう

Schoenfeld氏の研究の結論では0.5~8秒は同様に筋肥大しそうと伝えているが、対象となったいくうかの研究の中には、0.5~4秒の比較的早い動きをした方が筋肥大効果がわずかに高いとするものもある。

大枠で見るとそこまで大差ではないので、ほぼ同じと結論付けられているけどね。

研究のデータが少ないので、まだ最終的な結論を出すことができないと論文内では伝えられていて、今後変更がある可能性はある。

かなり早くあげると、重さが軽めでも、重いものと同等の効果!?

Effect of explosive resistance training on titin and myosin heavy chain isoforms in trained subjects.

  • 限界の重さ30%程度(=かなり軽い重量)でかなりスピーディーに
  • 限界の重さの80%(=高重量)で普通のスピードで

ジャンプスクワットをした2つのグループがある。

この2つのグループを8週間後に、変化を調べても両者にあまり違いはなかった、というもの。

※この研究で調べたのはミオシンとタイチン=筋たんぱく質の1つ

ベンチプレスを3つの速度で変化を調べた研究

The effect of lifting speed on factors related to resistance training : A study on muscle activity, amount of repetitions performed, and time under tension during bench press in young males

ベンチプレスを3つの異なるテンポで調査した。

  • 4秒/1回 普通(もしくは気持ち丁寧なスピード)
  • 6秒の繰り返し(ゆっくりめ)
  • 可能な限り速く(超速い)

この研究から分かったことは、速く動かした場合はレップ数(回数)が増える、そして筋活動が高くなる、ということだ。

どちらが筋肥大にいいかということは分かっていない。

速く爆発的に動かす場面はどんな時に有効か?

基本的によっぽど速く動かすことをしなけれれば、特に筋トレの効果に違いはないというのが現在の結論である。

そして、一応、爆発的に、可能な限り速く動かすと、軽い重量でも、筋肉を多く使えることが分かった。

それでは、爆発的に、可能な限り速く動かすような筋トレはどのような時に有効なのか、考えよう。

やはり、1番有効だと思えるのは、自宅トレーニングなど、軽い重量しかない場合だ。

例えば、腕立て伏せ。

腕立て伏せ筋トレ

腕立て伏せは初心者から採用できる手軽な筋トレだが、すぐに負荷としては物足りなくなる。

そういった際に、手をたたく腕立て伏せ。

これをすることによって負荷を高めることができるよ。

この筋トレは自宅で、爆発的に速く腕立て伏せをすることにつながるからね。

こういう風に、自宅で負荷が低い時などに有効活用できそうといえる。

 



まとめ~筋トレのスピード(速さ)はどうすべきなのか?~

結論
  • 筋トレの速さはそこまでこだわる必要はない
  • 素早くあげる(引く)ことによって、軽い重量でも負荷をあげることができる
  • ジム等で重りをコントロールできる場合は、あえてリスクの高い素早く動かすということをするメリットは特にない
  • 1回当たり、8秒以内なら筋肥大効果は変わらないとする論文がある
  • ただ、0.5秒~4秒以内に抑えた方がよさそうだ
  • 特に素早くも、極端に遅く動かす必要もない
  • スロートレーニング(1回当たり、10秒以上かかるような動き)

他の基本の要素と比べればそこまで筋トレの速さにこだわる必要はなさそうと分かった。

なぜなら、普通の速さで筋トレをすれば、5秒以上かかることもないだろう。

だいたい1回あたり2~3秒程度じゃないかな。

それに、筋トレの回数の記事で記載した通り、筋トレは軽い重量や重い重量を交互にやったほうがいい。

軽い重量を扱うときは、筋トレの速さも自然に速くなる。

つまりだ、筋トレの速さは普通にやればいい。

他に重要な要素があるので、そういったことを重視してくれというのが結論である。

以下に、特に重要なものに☆マークを付けておいた。

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